北朝鮮が強行した核実験について、朝鮮労働党幹部らが住民らに「中国に見せつけるため」と説明していることが6日、複数の消息筋の話で分かった。金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は7日朝に事実上の長距離弾道ミサイル発射についても強行した。後ろ盾だったはずの中国のメンツをつぶしてまで、対外強硬路線に前のめりになる理由は何か。内部の状況からは、若き指導者が自信を深めた複数の要因が浮かぶ。(桜井紀雄)
「反米全面対決戦」の裏で…
「反米全面対決戦を総決算するため、全社会を金日成(イルソン)・金正日(ジョンイル)主義一色にしなければならない」。平壌で2~3日に開かれた党と朝鮮人民軍の拡大会議で金第1書記はこう強調した。核実験の名分にも「米の敵視政策」への自衛を掲げた。
半面、国内の集会などで、「われわれが最も警戒しなければならない国」と名指ししているのが中国だ。中朝関係者によると、幹部らは「中国は、覇権意識に染まって社会主義の原則を捨て、血盟(同盟)国であるわが国に核開発を禁じる圧力を加えている」とし、こうも述べたという。