慰安婦問題をめぐり、2日の日韓首脳会談では交渉の加速化で一致したが、日韓の隔たりは大きい。元慰安婦たちにとっての「解決」とは何か。米国など海外にも出かけ日本批判を繰り返してきた韓国の元慰安婦を10月中旬に取材した。
元慰安婦は李容洙(イ・ヨンス)(86)。元慰安婦でよく知られているのは最初に自ら名乗り出た金学順(キム・ハクスン)だが、平成9(1997)年に死去した。今では李が元慰安婦を代表する顔となり、海外にも精力的に出向き、問題解決を求め日本政府を批判し続けている。
10月20日、李が住む韓国南部・大邱(テグ)市のアパートを訪ねると、「産経新聞に話すことはない」と、こわばった表情で取材を拒否した。しかし、記者をその場から追い返すわけでもなく、しばらくすると言葉少なに語り始めた。
「信じられるのは鳩山(由紀夫元首相)さんだけ。以前、鳩山さんに会ったときに慰安婦問題を『解決する』と約束してくれた。いろいろ努力してくれたけれど、政権が代わって約束をかなえられなかった。でも鳩山さんは今年8月にソウルに来たときに西大門刑務所でひざまずいて謝罪してくれた。鳩山さんに手紙を書いてもう一度会いたい」