仏TGVから技術を取り入れているため、動力集中方式に固執せざるを得なかった面はあるのだろう。だが、そのTGVですら改革に乗りだそうとしているのである。
ようやく重い腰を上げたのが、鉄道車両や軍用兵器などを生産する現代-起亜自動車グループの「現代ロテム」である。韓国経済新聞によると、12年、同社は100%の国内技術で動力分散方式の列車を開発した。しかし、厚い壁が立ちはだかった。韓国国土交通部が安全点検義務を理由に商用化計画を先送りしたのである。高速鉄道の受注では韓国国内での運営実績が重要な評価基準になるため、国内で走ってもいない列車を海外で走らせることは、土台無理な話なのである。
韓国経済新聞の社説はこう結んでいる。
「発注→製作→試運転→本運転に最低48カ月かかるため、今から始めても2020年の西海線(華城松山-洪城)開通に間に合わせるのがギリギリだ。ひとまず動力分散式の列車発注でも実現すれば世界市場に出す『最低限の証明』にはなる。政府のいち早い対応を促す」
そこからは「焦り」しか感じられない。