動力分散方式の主な利点は、全車両に動力源があるため上り勾配(こうばい)での高速走行が得意であるうえ、日本の新幹線のように曲線区間が多くても、頻繁に加減速をすることが可能であるということ。ブレーキの利きも良いようだ。
一方の動力集中方式は、分散方式に比べコストが安く、車両のメンテナンスにも労力を要しない点がメリットだった。ただ近年、集中方式が主流だった欧州諸国でも高速鉄道においては分散方式を採用する傾向にあり、フランスのTGVでも次機種は動力分散式を予定しているという。
中国より早く高速列車を自主開発したのに…
2004年4月に暫定開業した韓国の高速鉄道は10年11月、東大邱-釜山間の開業によってソウル-釜山間の京釜高速線がほぼ完成し、同区間は最速2時間18分で結ばれた。開業時から仏TGVの技術を導入をしており、今年4月には、ソウルと光州を1時間半ほどで結ぶ湖南高速本線が開通した。その韓国のジレンマは、中国より4年も早く、世界で4番目に高速列車を自主開発しながら、いまだ海外に高速鉄道輸出の実績がないという現実だ。