しかし、第3次政権発足時に再任しなかった江(え)渡(と)聡(あき)徳(のり)前防衛相を含めれば、昨年以降すでに3人が「政治とカネ」問題で内閣から去っている。首相は、西川氏を慰留し「自発的辞任をした」というスタイルにこだわった。
西川氏も、弱気になっていた。身内から辞任を求める声が上がったことでポストへの執着がうせ、官邸サイドや一部自民党幹部に電話で辞任の相談をするようになった。20日には西川氏辞任が固まり、同氏は周辺に「肩の荷が下りた」と漏らした。
結果として、首相はこれまでの辞任劇同様、早期の幕引きを図ることができた。自民党国対幹部は「予算案審議の大詰めに疑惑追及一色になるのは避けたかった。農協改革も終わり、辞任には最適なタイミングだ」と語った。
首相は23日夜、公邸で谷垣禎一幹事長ら党執行部と会食し、「皆で気を引き締め、団結していこう」と結束を促した。