20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は10日(日本時間11日未明)、世界経済の持続的な成長に向け、各国が適切な金融政策をとる必要性を確認して閉幕。世界的な脅威が拡大しているイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」など、テロ組織の対応についても議論し、テロ資金対策で各国が協調することを議論した。
会合では、テロ資金対策についても議論し、テロ資金などの国際規制を担う「金融活動作業部会(FATF)」の枠組みを活用した規制強化の必要性に言及。麻生太郎財務相は、イスラム国に邦人2人が殺害されたとされる人質事件を念頭に、「テロリストの暴挙を絶対に許さない」と非難。事件での交渉に関与した各国に謝意を伝えたほか、中東の避難民に対する人道支援の拡充を表明した。
世界経済については、米国など一部主要国を除き、成長がまだら模様となっていることを念頭に、各国の経済情勢に応じた金融政策の必要性を確認した。ただ、米国は年内の利上げを視野に入れる一方、日欧や新興国などは金融緩和を拡大している。世界的な資金の流れに変調が生じている状況を踏まえ、実体経済に与える影響を各国が注視するとの考えを共有した。
加えて、財政緊縮策の見直しなどを掲げるギリシャの新政権の発足で、ユーロ圏の先行き不透明感が強まっていることについても、意見を交わした。