【パリ=宮下日出男】フランスの風刺週刊紙シャルリー・エブドの本社が銃撃された事件で、逃走中の容疑者2人が9日朝、北東部セーヌエマルヌ県ダマルタンアンゴエルの印刷会社の建物に立てこもった。人質がいるとの情報もあり、捜査当局は建物を包囲していたが、9日夕、建物で銃声と複数回の爆発音が確認され、建物から煙が上がった。米CNNは特殊部隊が強行突入したと報じた。
一方、パリ東部ポルトドバンセンヌのユダヤ系食料品店にもこの日、銃を持った男が押し入り、少なくとも5人を人質に立てこもった。CNNは印刷会社での強行突入を報じた直後、この店でも複数回の爆発音が聞こえたと伝えた。仏紙ルモンド(電子版)は、印刷会社の2人と食料品店の男1人の計3容疑者が死亡したと伝えた。
食料品店に立てこもった男は、「(週刊紙銃撃事件の)兄弟を襲撃すれば人質を殺害する」と脅していたという。治安当局は2つの事件が連動しているとみて、ほぼ同時に作戦を開始した可能性もある。