シリアとイラクで活動するイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の犯行グループが、日本人人質2人の殺害を予告し身代金2億ドル(約235億円)を要求した事件は、予告映像で72時間とされた支払期限の翌日の24日になっても、イスラム国側は声明発表など具体的な動きを見せていない。一方で、昨年6月ごろの破竹の勢いがなくなり、新たな戦闘員獲得が困難になったとみられるイスラム国は、少年兵の勧誘・育成および子供世代の洗脳に本格的に乗り出した。プロパガンダ映像は衝撃的なもので、イスラム国の非道、残虐性を改めて浮き彫りにした。
遺体を足蹴に
イスラム国が最近公開した子供向けのプロパガンダ映像では、ピストルを手に持った少年が、ひざまずいた男性2人の頭部に向けて背後から引き金を引くシーンが映し出された。フランス通信(AFP)によると、少年は12歳ぐらいで、「処刑」した2人はロシアのスパイとされる。遺体はこの少年に足蹴にされ、ビデオには「ぶざまな格好で横たわった」とのナレーションが入っていた。