大きくなったら何になりたいかと問われると少年は、「不信心な者を殺す人間になりたい。僕はムジャヒディン(聖戦士)になる」と答えた。米シンクタンク「ブルッキングス研究所」の中東専門家、チャールズ・リスター氏はAFPに「ここまで暴力的な行いをする子供の姿を見せることは、『戦える年齢』にある男はすべてイスラム国の戦いに参加すべきだと主張しているに等しい」と話している。
少年に対するイスラム国の扱いも過酷だ。英紙デイリー・メールなどによると、今月12日に行われたサッカー・アジアカップのイラク対ヨルダン戦を、イスラム国の支配地域であるイラク北部のモスルでテレビ観戦した少年13人が公開処刑で銃殺された。「サッカーは西洋のものだ」として、イスラム国は観戦禁止令を出していたが、その「決まりを破った」のが処刑理由だという。
戦力維持に行き詰まりか
イスラム国は、イラク戦争の最中の2006年に誕生した反米武装勢力「イラク・イスラム国」を母体とし、11年から始まったシリア内戦に反体制派側で参戦。しかし、その過激思想などから反体制派側で浮いた存在となると、アサド政権だけでなく反体制派側にも牙をむく勢力として拡大していった。