立件された贈賄の総額も罰金と同じ「30億元(約537億円)」。賄賂を倍取りされたに等しい。
贈賄が不正行為であることは当然としても、中国での医薬品調達をめぐる不透明さや、医師の低い給与額と高い実収入の差は、これまで中国国内でも問題視されてきた。
米紙ニューヨーク・タイムズは、GSKが贈賄ルートに利用した旅行代理店は、他の外国製薬会社も頻繁に利用していたと報じている。
このため、GSKが中国当局の「狙い撃ち」に遭ったとの声は当初から出ていた。
外資に限らず、中国の製薬会社も自社製品を患者に処方した医師への「キックバック」などが指摘されていることをみれば、是正すべきは医療分野を覆う不透明な商慣行そのものに違いない。