キエフ郊外の大統領公邸は、少数の警備員しかおらず、報道陣が出入りできる状況となった。ヤヌコビッチ氏は親ロシア派の強い東部を拠点に抵抗する可能性があるが、政権は末期症状を呈し始めた形だ。
議会では与党の地域党から離党する議員が相次ぎ、辞意を示した同党のルイバク議長に代わって「祖国」のトゥルチノフ議員が新議長に選出された。議会は大統領が自ら職責を放棄したとし、ヤヌコビッチ氏に辞任を求める決議を採択した。
ヤヌコビッチ氏は21日、政治危機の収束に向け、前倒し大統領選の年内実施などを盛り込んだ野党3党代表者との合意文書に署名。だが、デモ隊の間では大統領の即時辞任を求める声が強く、野党もそれに応じて退陣圧力を強めた。
キエフの大規模デモは欧州連合(EU)との統合路線継続を求めて行われ、今月18日以降には治安部隊との衝突で77人が死亡した。