【モスクワ=遠藤良介】ウクライナからの報道によると、首都キエフの中心部に集結している反政権デモ隊の一部は22日、大統領府を占拠した。ヤヌコビッチ大統領はキエフを離れて東部のハリコフに滞在しているとされ、求心力が急速に低下している。議会は5月25日に前倒し大統領選を行うことを決議し、昨年11月からの大規模な反政権デモは新たな局面に入った。
ヤヌコビッチ氏は22日、地元テレビのインタビューに応じ、キエフでの大規模デモや議会の動きを「クーデターだ」と非難。議会で可決される法案には署名しないと述べたほか、「大統領を辞任する考えはない」と強調した。
インタファクス通信によると、ヤヌコビッチ氏の政敵で投獄されていた最大野党「祖国」の指導者、ティモシェンコ元首相が収容されていたハリコフの病院を出た。キエフに向かっているという。