20日開催された政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)に、内閣府は今後10年間の経済財政の見通し「中長期の経済財政に関する試算」を提出した。財政の健全ぶりを示す国・地方の基礎的財政収支の赤字は2015年度段階で、対国内総生産(GDP)比で3.2%となり、昨年8月段階の試算より0.1ポイント改善した。景気回復による法人税などの税収増が要因だ。さらに日本への投資を呼び込もうと現在35%程度の法人実効税率を25%程度に引き下げることを求める議論がスタートするなど「財政健全化」と「成長」をめぐる論戦は年明けから混沌(こんとん)としている。
「アジア諸国並みに」
20日の諮問会議では「デフレからの脱却を視野に入れつつある」との現状認識を確認。安倍首相は「(経済の)好循環実現への正念場」と述べたほか、甘利明経済再生担当相も成長戦略の重要性を指摘した。
一方、この日から本格的に始まったのが法人実効税率引き下げに向けた議論だ。