一方、野村証券が注力するのは「るいとう」だ。先月下旬には、全国紙と地方紙を合わせて50紙の朝刊に全面広告などでキャンペーンを告知した。掲載紙の部数を合わせると4千万部に達したという。
るいとうは累積投資の略。投信などを毎月同額買う設定をすることで、時間の分散効果が出せるという。値動きのある金融資産を買う場合、一気に投資すれば「高値づかみ」の懸念があるが、少額を積み立てることでこれを回避する狙いだ。
野村の山本泰正商品企画部長は「NISAで投資を始めた初心者の方に『やらなければよかった』と後悔させることだけは避けたい」と強調した。
膨らむコスト
このほか、口座開設者に2000円をプレゼントするキャンペーンは、野村など複数の社が導入しており、各社の先行投資が膨らむ。野村は10月末の決算発表段階で、システム投資を含めて50億円の費用が発生すると表明した。大和証券グループ本社も同じ時点で、システムとキャンペーンで20億円のコストがかかると明らかにした。