重複申請問題は、NISA口座の獲得競争の激しさを物語る。稲野会長は「印象として非常に多い。一人1口座の周知を徹底していく必要がある」と話す。
あの手この手
株式や投資信託の販売で各社はこれまで、自社が強みとしてきたサービスを、改めて前面に打ち出した。
SMBC日興証券は「キンカブ」という独自商品を活用する。株式はそれぞれの銘柄で最低売買単位が決まっており、例えばトヨタ自動車なら単位は100株で「株価×100」の倍数の金額で買う形となる。NISAの対象となる年100万円を過不足なく使うのは困難だ。
キンカブでは同社と投資家との相対取引を活用することで、同社が定める銘柄は金額や株数を指定して購入できる。従来インターネット取引のみのサービスだったが、年明けからは営業店舗でも取り扱いを始める。「丁寧に説明し、NISAで活用していただく」(リテール事業推進部の中田太治部長)のが狙いだ。