ところが、昨年12月~1月中旬まで、ベトナムが主張する領海を侵犯した中国漁船は2988隻。昨年1年間の2倍以上の隻数に達した。2988隻はなぜか、主にベトナムが天然ガス田開発する北・中部沿岸と、複数国が領有権を主張するスプラトリー(中国名・南沙)、パラセル(中国名・西沙)両諸島の周辺海域に集中した。昨年も、中国資源探査船の「領海」内における100件以上の活動が確認された。ベトナム政府筋は「明らかに中国政府の指示に基づく」と警戒している。
ところで、冒頭「衣食足りて礼節を知る」の出典は、当の中国における「法家(ほうか)」の書物「菅子(かんし)」。法家とは、「徳」による政(まつりごと)=徳治を説く「儒家」に対し、「法」による政=法治を唱える中国戦国時代(紀元前403~紀元前221年)の学派を指す。ただし、今も中国は「法」とも「徳」とも無縁の国。国際の資源を貪り喰らい、無くなれば他国領を侵す「衣食足りても足らざるとも傲岸(ごうがん)無礼」な国。「漁」を「了」とすれば「領」を盗られることになる。