中国人が強制連行で鹿島に損害賠償請求 元労働者1人1660万円求める

 
第2次大戦中の強制連行を巡り、鹿島に損害賠償を求めて提訴し、取材に応じる中国人元労働者の遺族(右端)=6日、北京(共同)

 第二次大戦中に日本に強制連行され過酷な労働を強いられたとして、中国人元労働者と遺族計27人が6日、ゼネコン大手の鹿島に、元労働者1人当たり100万元(約1660万円)の損害賠償を求めて、北京市第3中級人民法院(地裁)に提訴した。

 原告側によると、元労働者は1944年、長野県や群馬県の鹿島の作業所で強制的に働かされたという。原告側代理人は記者会見で「鹿島は責任逃れの立場を取り続けており、中国で提訴するしかなかった」と話した。

 鹿島は2000年、秋田県の花岡鉱山で中国人労働者が蜂起した「花岡事件」に関し、基金設立などで被害者側と和解。一方、群馬県などで重労働を強いられたとして元労働者が起こした訴訟では、11年に原告側敗訴が確定している。

 鹿島広報室は今回の訴訟に関し「訴状が届いていないので、コメントは控えさせていただく」としている。(共同)