中韓の「歴史戦」にらみ対外発信予算増額を 自民が外交力強化の決議案了承

 自民党は22日、党本部で外交再生戦略会議(議長・高村正彦副総裁)を開き、「外交力の強化を求める決議案」を大筋で了承した。日本の領土や歴史に関する戦略的な対外発信の必要性などを強調し、関連予算の規模拡大を求める内容。高村氏が近く文言を修正した上で安倍晋三首相に提出する。

 決議案は、慰安婦問題や記憶遺産登録などで中国や韓国が仕掛ける「歴史戦」をにらんだ戦略的な対外発信について「領土や領海、歴史認識を含めたわが国の『正しい姿』の発信を拡充する」ため、関連予算を増額するよう要請。領土や歴史を研究する国内シンクタンクの支援強化にも言及した。

 また、北朝鮮の核・ミサイル開発や、中国の東シナ海、南シナ海への海洋進出といった安全保障環境の変化を踏まえ、「わが国の国益を増進するため、外交実施体制を一層拡充することが不可欠」と強調。特に在外公館について、安全保障や戦略的な対外発信、国際テロに対応する海外拠点としての体制強化を求めた。

 外務省職員の定員を平成32年までに現在の約6千人から、英国並みの6500人に増やすことも提言した。