税収減、３次補正で７年ぶり赤字国債へ　ミサイル防衛、災害復旧など計上

　政府が月内に２０１６年度第３次補正予算案を編成し、歳入不足を補うために赤字国債を発行する方向で調整していることが２日、分かった。１６年度の税収が当初見通しを下回るため。第２次安倍晋三政権は財政健全化を目的に国債発行を抑制してきた。年度途中に赤字国債を追加発行することになれば、リーマン・ショックで税収が落ち込んだ０９年度以来７年ぶりになる。

　政府は１６年度の税収を当初見積もりで５７兆６０００億円としていた。ただ、年明け以降の円高で企業収益が低迷し、法人税などの税収が落ち込んだ。このため、税収見通しを下方修正する。

　減額幅は足元の円安傾向なども踏まえて判断するが、１兆円台後半になる可能性がある。

　歳出では景気対策は盛り込まず、北朝鮮の弾道ミサイルを念頭に置いたミサイル防衛（ＭＤ）関連や、災害復旧など必要最小限のものを計上する見込みだ。

　国の税収は安倍政権の経済政策「アベノミクス」を背景に増加が続き、政府は上ぶれ分を景気対策などの財源に充ててきた。だが税収頭打ちが鮮明になれば、今後の財政運営は見直しを迫られる可能性がある。

　編成作業を進めている１７年度予算案についても、税収が伸び悩むことで赤字国債を増発し、１０年度以来７年ぶりに新規国債発行額が前年度から増える恐れもある。

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