理化学研究所などが発表した新型万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の論文に疑義が生じた問題で、理研は1日、調査委員会の最終報告書を公表し、実験結果を示す重要な画像に捏造(ねつぞう)と改竄(かいざん)があったと不正を認定した。理研は不正を行った小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダーらの処分を検討するとみられ、研究成果は白紙化する可能性が高まった。
調査委の最終報告によると、不正と認定されたのは(1)小保方氏の3年前の早稲田大の博士論文の関連画像から流用された画像4枚(2)一部が切り張りされたDNAの解析画像-の2項目。
博士論文の関連画像はSTAP細胞の万能性を示す重要な証拠だった。小保方氏は「画像を取り違えた」と説明していたが、調査委は「違いを認識していなかったとは考えがたい」と指摘。「データの信頼性を根本から壊すものであり、捏造に当たる」と認定した。