企業進出、特定法人化に影響も
理化学研究所などが発表した新型万能細胞「STAP(スタップ)細胞」論文について、理研の調査委員会が論文の画像に流用があったことを認めた問題は、理研神戸研究所が所在する神戸・ポートアイランドの「医療産業都市」にも影を落としている。論文の筆頭著者の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)が所属する理研発生・再生科学総合研究センターは、この医療産業都市の中核拠点でもあり、“理研ブランド”の失速は、神戸市が目指す「先端企業の集積地」構想にも影響しかねない状況だ。
iPS研究・「京」も
「論文で誰が見てもおかしい画像を使うなど、理研の信頼性を大きく損ねたのは間違いない」
医療産業都市で働く研究者の一人は、今回の論文問題を冷ややかに見つめる。
同都市には、人工多能性幹細胞(iPS細胞)で目の難病「加齢黄斑変性」を治療する臨床研究を理研と共同で行っている「先端医療センター病院」などの施設があり、今秋にも世界初のiPS細胞を使った網膜再生の臨床研究が行われる見通しだ。