日本の家電メーカーの首脳、幹部の間にはテレビが売れに売れて莫大な利益を稼ぎ出していた古き良き時代の“テレビ神話”が今も忘れられない人が多いのだろう。しかし、ネットワーク時代の今、テレビは端末の一つにすぎず、利益を稼ぐことは困難だ。
テレビ神話が招いた経営不振
何よりパナソニックもシャープもテレビ事業の採算割れ、テレビの主要部品であるプラズマディスプレーパネル、液晶の過剰投資が経営不振を招いたということを忘れたのか。
全世界を見渡せば、まだまだ需要旺盛なビジネスかもしれないが、浮き沈みの激しいIT・デジタル家電分野で、いまなおテレビを主力に位置付けている企業が勝ち抜けるはずがない。テレビは最先端の塊でも、数年もたてば売れば売るほど赤字を垂れ流す“枯れた商品”だからだ。