中国の教範《西側軍事科学技術の収集利用に関する長期計画》などによると《4000団体が政治・経済・軍事・医学・社会・教育・文化…全正面で、プロではないがスパイ教育を施した各分野の専門家を使い少しずつ情報を集める》。つまり、1人が「砂1粒」を集め、組織で「バケツ1杯」にする。
中国は倒産やリストラ、定年で企業を出た日本人技術者を高報酬で招聘し、短期技術指導に誘う。社に内密での訪中は社内規則違反で、帰国後は協力者に成らざるを得ない。
広東省では06年、全宿泊客の身元をチェックイン後3時間以内に公安当局に通報する義務が課せられた。工作する技術・研究者らのリストアップのためだ。
中国系スパイや自国の技術・研究者だけに気を付けても安全ではない。米上院軍事委員会の2009~10年調査では、少なくとも1800事例=100万点もの「米国製」などを装うニセ電子部品が発見された。