間もなく、R社と関係する複数の日米企業に中国軍系通信機器大手の“社員”が接触してくる。技術は奪われなかったが、小欄の今次興味はここから先。中国軍総参謀部第三部隷下で北米担任の二局(61398部隊)か日韓担任の四局(61419部隊)辺りの、サイバー戦部隊の仕業と思ったら驚くほどアナログな戦法だった。そういえば米国家安全保障局(NSA)が《サイバー攻撃を防ぐ堅固な守りを、大昔のラジオ電波技術で撃破した》。
米軍も「外国製」を擬装する中国製電子部品購入に因る戦力低下を許している。サイバー空間では攻撃が防御に比べ圧倒的に有利とはいえ防御力も向上しており、「人間」も現場投入する諜報戦はまだまだ続く。
R社は3D画像処理用基本データを、特殊な半導体に書き込む予定だった。が、K氏も知らぬ間に、別の場所に移動→保管された半導体の真空包装は破られていた。