なぜ、わざわざ持ってきたチケットが無効になったのにほとんどトラブルにならなかったのか。森岡執行役員は「すでに使えないと分かったチケットに返金の動きがあった」と打ち明ける。
USJは転売チケットを無効化すると同時に、転売業者に「購入したチケットを無効化した。無効化を知りながら転売すれば刑法で詐欺罪に問われる」と警告文を送付し、転売先に返金することを呼びかけた。これを受け、7~8割は返金されていたとみている。
USJが転売チケットを無効にするのは、USJに行きたいファンに適正な価格で楽しんでもらうのが目的だ。背景には、業者が転売目的でチケットを組織的に買い占めることで人気チケットが売り切れたり、高値で出回ったりするケースが横行していたことがある。転売目的と確認されただけでも年間約10億円分に上り、7200円のエクスプレス・パスがネットオークションで約7倍の5万円で取引されたこともあった。