【国際情勢分析】
11月初旬、米カリフォルニア州サンディエゴの海洋テーマパーク「シーワールド」で、施設の集客の目玉だったシャチのショーが2016年で廃止されることが発表された。この知らせは全米中のメディアを駆け巡り、大きな話題となった。
米国最大級の人気施設での決定は、和歌山県太地町で捕獲された野生のイルカを水族館で展示するか否かをめぐり、揺れる日本社会にも影響を及ぼす可能性がある。
「歴史的な大発表」
このニュースがいかに大きな出来事だったかは米紙の扱いをみるとわかる。
地元紙サンディエゴ・ユニオン・トリビューン(SDUT)は1面トップで記事を掲載し、記者のコラムで「シーワールドの大発表は歴史的なものだ」と報道。ワシントン・ポスト(電子版)は「象徴的なシャチのショーがまもなく見られなくなる」とし、この決定は施設に対する「世論の批判と高まる圧力の中で」下されたと伝えた。