世界中で大ヒットを記録した長編アニメーション映画「カンフー・パンダ」のマーク・オズボーン監督(45)が新作の題材に選んだのは、フランスの小説家、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(1900~44年)による不朽の名作「星の王子さま」だった。
「原作小説の単なる焼き直しだけは絶対にしたくありませんでした。とはいえ、原作を愛するファンたちはすでに自分独自の世界観を強固に作り上げてしまっており、その世界観をぶち壊しにすることはできません。では、原作の味わいを大切にしつつ、僕の味をどう出せばいいのだろうか…。随分と頭をひねりましたね。結果的に、現代に生きるごく普通の少女を新しい主人公に据えて、原作小説のその後の物語を描けば、原作小説のファンからも一定の理解が得られるのではないかと考えたのです」。監督就任の打診を一度は断ったと明かすオズボーン監督は、SANKEI EXPRESSの取材に、偉大な作品の映画化へと大きくかじを切ることになった転換点を語った。