≪劇作家、中屋敷法仁さん≫
絵本が原作の「100万回生きたねこ」の脚本を以前、手がけたが「2.5次元」は初めて。「ハイキュー!!」の準備では国内のスポーツマンガを読みあさった。違いは、例えば「アタックNo.1」は試合を見る観客の目線で物語が進むのに対し、コートにいる選手の目線で進むこと。部活の人間関係に圧倒的なリアリティーがあり、敗者の描かれ方が丁寧で共感しやすい。客席で共感をシェアできるかどうかのスケール感が大事になる。
多くの作品が若手俳優の登竜門となっており今後、認知度は上がっていくだろう。ただ2.5次元の舞台は、2000年代に入って小劇場で口語演劇が流行する以前の、熱いせりふを熱く話していた時代の形に近い。最近の小劇場は、新作ばかり求められてつまらなくなっており、反動で消えていく危惧がある。(藤沢志穂子/SANKEI EXPRESS)