五輪視野に外国人取り込み
2.5次元ミュージカルとは、2次元の平面にあるマンガを3次元に立体化したとしてファンが名付けた総称。ぴあ総研の調べでは昨年の上演作品数は91と2009年の28(日本2.5次元ミュージカル協会調べ)に比べ大幅増だ。
この勢いはステージ業界の牽引(けんいん)役の一つになっている。2015ライブ・エンタテインメント白書によれば、昨年の市場規模は前年比12.3%増の1540億円。ぴあ総研の笹井裕子主任研究員は「東日本大震災で落ち込んだステージ市場の規模は回復傾向にある。拡大に、2.5次元ミュージカルは貢献しており、新たに劇場に足を運ぶ人を確実に増やした。引き続き上演作品も動員数も増えていく」とみる。ソーシャルメディアの普及で、趣味や愛着を共有するファンたちが集まりやすくなったことも背景にある。
関係者が目指すのは、2020年東京五輪・パラリンピックも視野にした外国人の取り込みと海外進出。日本2.5次元ミュージカル協会の松田誠代表理事は「スターは作品のキャラクター。同時に複数カ所で上演できる」と波及効果を説明する。海外公演は今年「テニスの王子様」が2~3月に台湾と香港、「NARUTO-ナルト-」が5~6月にマレーシアやシンガポールで実施するなど増えている。