強硬姿勢を装う滑稽さ
中国は対米強硬姿勢を装う滑稽かつ苦しげな発言・演技を止められぬ。例えば外務省報道局長。「中国は米軍艦に対し監視・追跡と警告を実施した。周辺海・空域で徹底監視を続け、必要に応じて全ての措置を採る」とか。
「戦闘行動も視野に入れている」と脅したつもりのようだが、何とも「池乃的」。笑いを突き抜け、もはや痛々しい。一方で10~20年以内に、そんな軽口はたたけなくなっているかもしれぬ。中国は150万トンという途方もない《巨大浮島=メガフロート》を東/南シナ海に遊弋させるなど、軍事力を飛躍的に強化するに違いない。
軍事膨張を放置すれば、中国は早晩「池乃」ではなくなる。南シナ海の海空軍小国は無論、日本や米国にまで「よっしゃ、今日はこれくらいにしといたるワ」と、軍事的凄みを利かせる時代が迫っている。
《航行の自由作戦》で思い出したのが、1981年と89年に起きた《シドラ湾事件》だ。リビア北部には地中海に面して広大な湾(シドラ湾)が広がる。リビアは73年以降、湾全域を「領海」と定めた。