日本人が持つ感性の力　鈴木日宣 (4/5ページ)

　≪自国の文化誇り　蓬のように真っすぐと≫

　「蘭室（らんしつ）の友に交って麻畝（まほ）の性（しょう）と成る」という日蓮聖人のお言葉がございます。「香り高い蘭が置いてある部屋にいればその芳香が自然に身体にしみ込む。また蓬（よもぎ）は横に広がる草だが、真っすぐに生える麻の中にあれば自然と真っすぐに伸びる。善人や徳の高い人に接し、蘭室や麻の中にあるように大きな感化を受けなさい」ということです。ただ「よき師に生涯学んでも感化されなければ、まるでおいしい汁にひたっても味も香りもまったく移らないサジのような者」（法句経）という場合もあります。

　「日本はとても素晴らしい国だ」と世界から称賛されることが少なくありません。１９２１～２７年、駐日フランス大使であったポール・クローデル氏は４３年パリのある夜会で「私がどうしても滅びてほしくない一つの民族があります。それは日本人です」とスピーチされたといいます。

真っすぐに伸びる蓬のように