【尼さんの徒然説法】
百日紅(さるすべり)の花が真っ青な空に美しく映えています。真夏らしい風景ですが暦の上では立秋を過ぎ、これから季節は秋へと移行していきます。あまりの暑さに秋の到来がまだまだ先のように思われますが、夜、耳を澄ますとそこここで秋の虫たちの合奏がすでに始まっています。季節と同じようにどんな物事も必ず移り変わっていく。そう教えてくれる日本の四季はまことに素晴らしいとつくづく感じます。
戦争の悲惨さを痛感
今年で戦後70年目。その間日本は経済復興と平和国家を着実に築きあげてきました。そこには戦争を経験した先人方の大変なご苦労と「もう二度と戦争は起きてほしくない」という悲痛な思いがより大きな力となっていたに相違ありません。親や子供、愛する人を亡くした悲しみは、平和に暮らす現代の私たちには到底図り知ることはできません。そして「戦争さえなければ」と一番強く思っていたのは、当に亡くなられた英霊方ではないでしょうか。当時は「忠孝」の教育が徹底されており、私たちとは比べものにならないほど親や国を思う心が強かったはずです。親より先に逝くという親不孝は、耐えがたい苦しみであり、それを思うとしんしんと胸が痛んで参ります。