中東や北アフリカからの移民や難民が欧州に大量に流入している問題で、ハンガリーを出た移民らが、オーストリア経由で6日までに続々とドイツに到着した。ようやく“希望の地”を踏みしめた移民らだが、あくまで今回は例外的措置。欧州連合(EU)は、加盟国間で受け入れの公平な分担などの対処を急ぐが、東欧諸国の反対もあり、議論は難航している。
ドイツ南部、ミュンヘンの中央駅では5日午後以降、移民らを乗せた列車が相次ぎ到着し、6日未明まで続いた。ロイター通信によると、駅に着いた移民らは約8000人。移民らはバスや列車に乗り換え、周辺や西部のドルトムント、中部のフランクフルトなど、国内各地の収容施設に向かった。
ホームや駅周辺には多くの市民らが集まり、移民らを歓迎。子供に菓子を差し出す市民の姿もあり、移民らは手を振るなどして応えた。シリア出身の移民の男性は「感激した。ドイツに感謝する。早くドイツ語を勉強したい」と語った。
トルコからギリシャに渡り、バルカン半島を北上してくる移民の多くは、生活水準の高いドイツを目指す。ドイツでの難民申請者は8月だけで10万人を越え、今年は昨年の約4倍に当たる約80万人が見込まれる。独メディアはその費用が100億ユーロ(約1兆3000億円)に上るとの試算を報じた。