トルコの国会(定数550)議員選は8日、開票が進み、イスラム系与党・公正発展党(AKP)の得票率は約41%で過半数割れが確実となった。AKPが過半数を割るのは2002年に政権についてから初めて。憲法改正による大統領権限の強化を目指していたAKP出身のレジェブ・タイップ・エルドアン大統領(61)には大きな打撃となる。投票率は約86%。
現地メディアの開票速報によると、AKPの獲得議席は改選前の311を大きく下回る256程度にとどまった。第1党の座は確保したが、政権維持には他党との連立が必要となる。AKPを率いるアフメト・ダウトオール首相(56)は7日夜、「トルコの安定確保のためにあらゆる注意を払う」と述べた。
一方、台風の目として注目された少数民族クルド人系の左派、人民民主党(HDP)は約13%を得票して80議席前後を獲得。HDPのセラハッティン・デミルタシュ共同議長(42)は「大統領制をめぐる議論は決着した」とし、議院内閣制から大統領中心の体制への転換を目指すエルドアン氏とAKPの改憲論議は頓挫したとの見方を示した。