ネパール中部で発生した大地震は28日、がれきの下などに取り残された被災者の生死の境目とされる発生後72時間を経過し、近隣国を含めた死者は5000人を超えた。国連によると、ネパールの人口の3分の1にあたる約800万人が被災。コイララ首相はロイター通信に対し、犠牲者は1万人に達する恐れがあると語った。
日本の援助隊到着
各国の支援が本格化し、日本の国際緊急援助隊の約70人も民間機で首都カトマンズに到着し寺院跡で捜索活動を開始した。リーダーを務める小林成信・外務省緊急援助官は空港で「持っている器具や救助犬を最大限に生かしたい」などと述べた。
コイララ首相は、被害状況の把握が難航している山岳地域からの情報が今後入ることで、死者数が増える恐れがあると指摘した。山岳地帯では交通網が地滑りなどで依然遮断されており、水や食料、薬などの物資が行き渡っていない。中部ゴルカ地区の当局者は強風と雨で救援ヘリコプターの着陸も難しい状況だと語った。被災地では衛生状況の悪化や食料不足などから、感染症の流行などの二次被害も懸念されている。