シリアなどからの難民や移民が欧州に殺到している問題で、エジプトの大富豪、ナギブ・サウィリス氏(61)が、ギリシャやイタリア沖の無人島を個人的に購入し、そこに難民らを受け入れて新しい共同体を作ってもらおうという構想を打ち上げた。
2日にはトルコ南西部からギリシャの島に向けて家族とともに粗末なゴムボートで出航したシリア難民の3歳男児がボートの沈没で溺死、遺体がトルコの浜辺に打ち上げられた写真が世界中に配信され、大きな衝撃を与えたばかり。サウィリス氏は「難民問題は一刻の猶予も許さない待ったなしの状態だ。だれかが今すぐ行動を起こさなくてはならない」とメディアに力説した。
インフラ整備し雇用創出
サウィリス氏は、建設会社を母体にエジプト最大の民間企業グループ「オラスコム・グループ」を築いた実業家、オンシ・サウィリス氏(85)の長男。現在、携帯電話通信系の持ち株会社「オラスコム・テレコム・メディア・アンド・テクノロジー」などの会長を務める一方、2つの衛星テレビチャンネルのオーナーでもあり、個人総資産は約31億ドル(約3700億円)とされる。