アフガニスタン大統領府は29日、反政府武装勢力、タリバンの最高指導者、オマル師が2013年4月に隣国のパキスタンで死亡したことを確認したと発表した。タリバン指導部が伏せてきたトップの死亡が公となることで、内部統制が乱れるのは確実。アフガンで勢力を拡大する過激派「イスラム国」へのメンバー流出に拍車がかかり、さらなる治安悪化が懸念される。ガニ政権とタリバンとの和平協議の停滞も必至だ。
協議の延期発表
シュルツ米大統領副報道官は29日、オマル師の死亡情報は「信用できる」との見方を示した。
アフガン大統領府は、オマル師の死亡を「信頼できる情報」に基づいて確認したと説明。全ての武装勢力に対し「この機会を捉えて和平プロセスに参加するよう求める」と呼び掛けた。
だが、アフガン政府は31日に予定されていた直接協議を延期すると発表。一方、タリバンは、オマル師に代わる新たな指導者にアクタル・マンスール師を選出した。アフガン・イスラム通信が30日、伝えた。