一方でアボット首相についても「彼がもっと政治的に強ければ、豪メディアを使ってインドネシア大統領と対話するようなことはしなかっただろう。また、2004年のスマトラ沖大地震とインド洋大津波の被災地への豪州からの支援への返礼として豪州人2人の死刑執行停止の要求を提案するような不器用なことはしなかっただろう」と分析し、今回の死刑問題が双方の政治指導者の弱さとも重なって両国関係の冷却化に至ったとの見方を示した。
また、論評は豪州が死刑制度の問題でインドネシアを追い込めば、頻繁に死刑を執行している中国に向きかねないとして、「豪州はそんな結果を欲していない」と過剰な対応に警鐘を鳴らす。両国関係が緊密化し、互いに貿易や観光などでメリットを受ける部分が多いだけに、論評はインドネシアに強圧的な態度を取りかねない豪州に自制を呼びかけている。(国際アナリストEX/SANKEI EXPRESS)