妻と友人の殺害疑惑をかけられていた米ニューヨークの大富豪の男が、自ら出演したドキュメンタリー番組の収録時に殺人を“自白”したことがきっかけで逮捕・訴追され、全米が騒然となっている。トイレでワイヤレスマイクのスイッチを入れたまま、「全員殺したんだよ」とつぶやいた独り言が録音され、番組で放送された。うっかりスイッチを切り忘れていたとみられる。起訴され裁判で有罪になれば死刑の可能性もある。ただ、トイレでの独り言に証拠能力があるかどうかをめぐって論争も巻き起こっている。
妻は不明、友人は射殺
ニューヨーク・タイムズ紙やCBSテレビ、CNNなどの主要メディアが17日までに一斉に報じた。それによると、逮捕・訴追されたのは、ニューヨークの著名な不動産王の息子、ロバート・ダースト容疑者(71)。父親の死で44億ドル(約5400億円)の遺産を受け継いだ億万長者だ。
ダースト容疑者は14日、友人だった女性推理作家、スーザン・バーマンさんが2000年にロサンゼルスで射殺された事件の容疑者として、偽名で宿泊していたルイジアナ州ニューオーリンズのホテルで逮捕され、16日に起訴するかどうかを判断する訴追の手続きがとられた。逮捕後は、容疑を否認しているという。