小型無人機(ドローン)を使った“空の宅配”構想を掲げる米ネット通販大手アマゾン・コムが、無人機の屋外試験飛行の認可が遅すぎるとして、規制当局である米連邦航空局(FAA)を厳しく批判している。試験飛行の認可まで半年以上かかった上に、操縦者が目視できる範囲に飛行を限定するなど規制がきつすぎて、このままでは実用化が困難なためだ。無人機飛行のルールを定めた正式法案の成立は2年以上先になるとみられ、幹部の口からは英国などへの脱出も公然と語られ始めている。
試験飛行に半年超
ロイター通信や英紙デーリー・メール(電子版)などによると、アマゾンがFAAから屋外試験飛行の認可を受けたのは19日。しかし、アマゾンのグローバル公共政策担当副社長、ポール・マイズナー氏は24日の米上院小委員会で、認可を受けるまでに半年以上かかったため、認可を受けた無人機が時代遅れになったとFAAの対応を批判した。
マイズナー氏は「われわれは既に許可を受けた無人機の試験飛行は行っておらず、英国など海外でさらに進んだデザインの無人機を試験飛行させている」と指摘。さらに「米国以外の国では試験飛行を始めるのに1~2カ月以上待たされることはない」「米政府のこの低レベルの対応とスローペースは、他国の規制当局の努力に比べて適応力に欠ける」とののしった。