「ふるさとで、ずっと。」は劇場公開せず、DVDを1万円で1000人限定で配り、購入者をミニ映画館「くまモン座」の支配人として認定、自主上映会を開いて広めてもらう方法をとる。セットで、ポスターやパンフレット、チケットにくまモンのトロフィーも付く。
「『映画館ごっこ』をしたかった」と小山さん。「カラーテレビが普及し始めたころ、一つの家に近所の皆さんが集まってテレビを見てコミュニティーが生まれた。くまモン座が人が集まるきっかけになればいい。他の映画も上映して楽しんで」
小山さんが1月に責任編集した週刊誌「AERA」(朝日新聞出版)の特集「やさしくなりたい。」も、売れ行きは好調だったという。優しさが連鎖していくような小山さんの企画が支持されるのは、インターネットの普及で人間関係が希薄化し、すさんだ事件の増えた現代社会に対する揺り戻しかもしれない。(藤沢志穂子、写真も/SANKEI EXPRESS)