第57回グラミー賞で「最優秀オルタナティブ・ミュージック・アルバム」を受賞したセイント・ヴィンセントが来日公演を行った。奇才デヴィッド・バーンとの共演を経て、自らのパフォーマンスにも同じ振付師を起用、ソロでも美意識に満ちたシアトリカルなステージを披露した。ライヴに先立ち話を聞いた。
「今の時代は機材のおかげで、誰でも音楽を作ろうと思ったら結構簡単に作れる。でも、時代を超える楽曲を作ること自体は決して楽にはなっていない。だから、私の楽曲が評価されたのではないかと思う。あとは私が7年間で4枚のアルバムを出し、数多くのツアーを行うなど、いろいろやってきた積み重ねの結果への評価ではないかしら」
脳や耳をだまして
何より一瞬聴いただけで彼女のギターだとわかる、ユニークなサウンドが魅力だ。叔父は卓越したテクニックを誇るギタリストのタック・アンドレス(タック&パティ)である。