今年はサム・スミスが席巻。来年2月発表のグラミー賞で、新人で最多6部門ノミネートされたほど。その美声はディスクロージャーの「ラッチ feat.サム・スミス」が英国から世界的に大ヒットした時から評価され、ソロデビューすると繊細な心情を天使のような声でソウルフルに歌った「ステイ・ウィズ・ミー」が大ヒット。ゲイであることをカミングアウトしたが、グラミーでは今年の授賞式内で同性婚を祝ったこともあり、逆に理解と注目度が高まった。
新進気鋭の個性の持ち主が次々と英国から登場するが、2015年はFKA Twigsが突出しそう。アルカをプロデューサーに迎え、破片を一つ一つ重ねていくような緻密な音作りに、ちょっとした発声をも歌に変えてしまう官能的で神秘的な歌唱スタイルは、“未来から来たR&B”と呼ばれている。ミュージックビデオやファッションなどビジュアル面にもこだわりが強く、その不可思議さはビョークに匹敵。意外にも恋人は人気俳優のロバート・パティンソン。1月初来日する。(音楽ジャーナリスト 伊藤なつみ/SANKEI EXPRESS)