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【日本遊行-美の逍遥】其の十六(中川木工芸 比良工房・滋賀県) 個性豊かな木桶 ともに生きる (1/5ページ)

2015.1.27 15:00

板一枚一枚の微妙な曲線が、円形の桶を形づくる=2014年10月20日(井浦新さん撮影)

板一枚一枚の微妙な曲線が、円形の桶を形づくる=2014年10月20日(井浦新さん撮影)【拡大】

  • 刃が湾曲した銑(せん)という道具を両手で握り、桶の外側を削る。銑は奈良時代から使われている古い道具だ=2014年10月20日(井浦新さん撮影)
  • 割り目を整え、繊維を傷つけないように、お腹に挟み込んで、力をかけながら削っていく=2014年10月20日(井浦新さん撮影)
  • ぐい呑み、一合樽、ピッチャーなど、上品で洗練された形=2014年10月20日(井浦新さん撮影)
  • 俳優・クリエイター、京都国立博物館文化大使、井浦新(いうら・あらた)さん(本人提供)

 桶(おけ)は毎日のように使われてきた道具。水をくんだり、酒やしょうゆなどを貯蔵するためのものだ。シンプルな形ゆえに、木の特徴そのものが生かされる。京都一の桶職人と呼ばれた祖父、重要無形文化財保持者の父を持ち、三代目として比良(滋賀県大津市大物)で木桶をつくり続ける中川周士(しゅうじ)氏の工房を訪れた。

 桶に向くのは、桧、杉、椹(さわら、桧の一種)、槇(まき)などの針葉樹である。針葉樹は真っすぐに伸び、木目が素直で、水に強くて狂いが生じにくい。木の種類によっても用途が異なる。

 香りが強く殺菌効果の高い桧は浴槽やたんすに、椹は香りがやさしく酸にも強いので、お櫃やすしの飯切り、料理の器などに向く。高野槇は水に強いので、浴槽や湯桶、腰掛けなどの材料に。杉は木目が強く風格があり、香りは酒に合うので、酒器や調度品にも使われる。先人たちが蓄積してきた知恵が伝承され、いまに至っている。

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