湯川遥菜(はるな)さん(42)を殺害したとする画像の音声が拘束前の後藤健二さん(47)の声と酷似していることが25日、声紋を分析した専門家への取材で分かった。ただ、別人の可能性を指摘する専門家の見解もあり、警察庁科学警察研究所(科警研)も詳細な分析を進めている。
妻の名前に動揺
犯罪捜査の音声分析に携わってきた音響研究所の鈴木松美所長(74)によると、拘束前に後藤さんが「何か起こっても責任は私自身にあります」などと話していた動画と、今回の画像を分析。英語で「ケンジ・ゴトウ」と名乗る部分だけで語尾が上がる点など10カ所の特徴が一致したという。他人の場合は2カ所程度にとどまるといい、鈴木所長は「99.9%、後藤さん本人の声だ」と分析する。
拘束前は「ケンジ・ゴトウ」と話す部分が0.8秒だったが、緊張からか、今回の動画は0.5秒に。全体的に抑揚がない一方、言いよどむ部分も少なく、「文章を何度も練習した上で読まされているのではないか。棒読みのため、文章の内容は本心ではなく、非常に気持ちが沈んでいるようだ」と説明した。