小惑星探査機「はやぶさ2」を搭載したH2Aロケット26号機が3日午後1時22分4秒、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。1時間47分後に高度約900キロで予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。地球から約3億キロ離れた小惑星「1999JU3」に向かい、生命の起源や太陽系誕生の謎を解く試料を採取し2020年の地球帰還を目指す。
「はやぶさ2の宇宙航海がようやく始まった」。プロジェクトを統括する宇宙航空研究開発機構(JAXA)の国中均・プロジェクトマネージャ(54)は、打ち上げ成功後の会見でこう語った。6年間の総航行距離は約52億キロに及ぶ。
18年夏ごろ到達
はやぶさ2は、世界初の小惑星からのサンプルリターン(試料回収)を成功させた「はやぶさ」の後継機。
軌道に投入されたはやぶさ2は現在、毎秒数キロの速さで地球から離れている。予定通り太陽電池パネルを展開し電力を得ており、電波の受信も確認した。初代はやぶさで故障した姿勢制御装置も正常に作動し安定している。搭載機器も正常だ。