6人は多すぎるとの声も
6分間練習については、6人は多すぎるので、4人に減らせば、安全性が増すという声もあります。スピード化の時代に今後は国際スケート連盟で議論が始まるかもしれません。ただ、4人が一つのグループになると、6分間練習や整氷の回数が増え、待機時間が長くなる最終グループなど上位選手の集中力への影響は避けられません。そうしたことへの対処法の検討も必要です。
いずれにせよ、選手が良いコンディションで、そして安全に、ベストなパフォーマンスを発揮できる環境作りを進める議論に、羽生選手の事故が一石を投じたことは間違いありません。私も元選手の目線から、そして報道に携わる立場から考えていきたいと思っています。(元フィギュアスケート選手、フジテレビ職員 中野友加里/SANKEI EXPRESS)
■なかの・ゆかり 1985年、愛知県江南市生まれ。史上3人目のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に成功し、2006~08年まで3年連続で世界選手権日本代表。10年に現役引退し、フジテレビに入社。早大大学院修了。著書「トップスケーターの流儀~中野友加里が聞く9人のリアルストーリー」(双葉社)が発売中。