簡易トイレはあるが、シャワーもテレビもない病院内のテントで直ちに隔離され、帰国翌日の25日に受けたエボラ熱ウイルスの検査の結果は陰性だったにもかかわらず、隔離は継続された。ヒコックスさんが隔離解除を求めて提訴の構えを見せると、ニュージャージー州当局は「症状が出なかったため」として、27日にメーン州への帰宅を許可した。
「州民130万人の保護責任」
しかし、メーン州は帰宅したヒコックスさんを、当初ニュージャージー州が予定していた隔離期間の11月10日まで自宅から外出禁止とする措置をとった。ヒコックスさんは自宅で米メディアの電話取材に対し、「全く容認できない措置で、基本的人権の侵害だ。無論、地域の人々を危険にさらす意図はないので、エボラ熱の兆候がないかどうかの観察を続ける」などと語り、メーン州を相手に外出禁止令の即時解除を求め30日にも提訴する考えを示した。