この一件に肝を冷やした厚労省は、全入国者に滞在歴の確認を始めると同時に、滞在歴のある人には21日間、体温や体調の異変がないかを1日2回検疫所に報告するよう義務付ける対策を導入した。流行が深刻なギニア、リベリア、シエラレオネを行き来する日本人は年間300人程度と少ないが、空港や港での警戒は厳しさを増した。
政府は、今後も疑い例が報告される事態は起きるとみているが、この段階で公表することには慎重だ。厚労省幹部は「疑い例を調べて本当のエボラだったというのは10件に1件程度だろう。検査前の疑い例公表にはメリット、デメリット両方あり、バランスをとるのが難しい」と話している。(SANKEI EXPRESS)