政府は17日、エボラ出血熱の感染が広がる西アフリカに自衛隊を派遣する方向で検討に入った。複数の政府関係者が明らかにした。政府は、世界保健機関(WHO)や関係国と調整の上、緊急医療や施設設営、物資輸送など自衛隊の人道支援による貢献が可能な業務を絞り込み、要員を送る規模や地域、期間など具体的な派遣計画を早急に固める方針。
岸田文雄外相(57)は17日の記者会見で、国立感染症研究所(東京都新宿区)の専門家2人を流行国の一つであるシエラレオネに派遣すると発表した。WHOからの要請に応えたもので、岸田氏は「追加の貢献策を考えなければならない」と強調した。シエラレオネでは15日までに、1183人が死亡している。
政府は9月までに500万ドル(5億円超)規模の資金支援を実施し、安倍晋三首相(60)は9月の国連総会で4000万ドル(約43億7000万円)の追加支援を表明。政府は今後、資金面だけでなく、専門医や自衛隊の派遣を含めた人的な貢献に積極的に取り組む考えだ。
首相は15日、バラク・オバマ米大統領(53)と電話会談し、エボラ出血熱対策で緊密に連携していく方針を確認した。その際、オバマ氏から日本の広範な分野での支援の強化を要請され、首相は「現地の人々の目に見える形で支援を継ぎ目なく行うべく、あらゆる支援策を加速化させていく」と伝えていた。